北海道開発技術センター

更新日 : 2010.1.6
明けましておめでとうございます。
平成21年も、皆様にとってご多幸の年であることを心から祈念しています。

社団法人 北海道開発技術センター会長 佐藤 馨一 


佐藤会長写真 改めて思う歴史の教え

 平成21年9月7日〜9日にかけて第8回日中冬期道路ワークショップが中国黒竜江省のハルビン市で開催されました。発表論文数は15本を数え、日本から20名近くの参加者があり、日中間の技術交流や親睦に大いなる成果を上げました。
 私もDEC会長として開会の挨拶をするために出席しました。開催地の黒龍江省交通科学研究所には多くのお世話をいただき、改めてお礼を申し上げる次第です。研究所からハルビン市内を案内したいと申し出があった時、ハルビン駅の一番ホームを見たいというリクエストをしました。1909年10月、そのホームで朝鮮統監であった伊藤博文が安重根に暗殺されました。今年は伊藤の没後100周年に当たります。現在のハルビン駅の警戒は厳重であり、切符の持たない私はホームへ立ち入ることはできませんでした。しかし、通訳の方にお聞きすると伊藤博文の記念碑は残っているそうです。

 暗殺の翌年に日韓併合が強行され、日本は韓国の外交権を獲得して保護国としました。伊藤は当時、最も韓国の事情を理解していた政治家でしたが、彼の暗殺がその後に続く満州事変や太平洋戦争への序幕となり、わが国は亡国への道をたどりました。
 敗戦後のわが国の復興は目覚ましく、経済は大いに発展しました。しかし2008年に発生したリーマンショックによる世界経済の不況により、わが国は未曾有の経済危機に陥っています。
 「兵を使うは一日、しかし兵を養うは百年」という言葉あります。
100年の社会変動は人知を越えるものがあります。しかし国の発展と安全を考える時、百年かけても兵を養う覚悟が必要です。私は兵を社会基盤と置き換えて、この国の発展と安全を確立すべきだと考えています。その社会基盤とは何か。それは道路、とくに高速道路です。
 「すべての道はローマに通じる」、「ローマ皇帝の責務はローマ街道を建設し、維持すること、そして国民の食を確保することにある」と言われてきました。1000年に及ぶローマ帝国の持続は、石造のローマ街道に担われてきたと言えるでしょう。わが国では、「コンクリートから人へ」を旗印に公共事業が大幅に見直され、高速道の建設が抑制されつつありますが、交通基盤に投資しない国は短期間に亡んできた、という歴史の教えを改めて思い起こす必要があります。

今後とも会員の皆様の変わらぬご支援とご指導をお願い申し上げる次第です。


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