北海道開発技術センターは、1983年に社団法人として発足し、法人改革の流れに沿って2012年に一般社団法人へと移行して現在に至っております。
設立当初、当センターは、冬期の吹雪や積雪、寒さに起因する道路・交通問題、軟弱地盤を克服するための道路構造や道路設計技術の検討など、北海道開発や寒地開発技術の発展に関する多くの調査研究を行っておりました。近年では、少子高齢化とそれに伴う人口減少、地球規模での環境問題の顕在化、大規模災害の切迫等社会を取り巻く環境は大きく変化を踏まえ、地域活性化、人材育成、観光、環境・エネルギー問題、防災・減災等にも取り組んでいるところです。
ところで、世界史に残るこの度の新型コロナウイルス感染症の拡大により、日本と世界の繋がり、私たちの生活、社会のあり方が変わってきているように感じます。例えば、遅れていたデジタル化が進むと、積雪寒冷で広域分散型地域構造を持つ北海道における交通サービスの向上や建設業の人手不足解消につながることが期待されます。一方で、コロナによって変化が加速したこととして、若い世代を中心にリモートワークが進み、働き方や暮らし方の多様性を重視する動きが拡がっています。人々の活動の多様化は地域に個性を生み、地域づくりの多様性をもってリスクに強い北海道に生まれ変わることができます。
技術は豊かさそのものを提供することはできませんが、豊かさを支えることはできます。コロナ後を見据えて、洗練された自然が残る北海道から新しい世界が構想され実践されるように、当センターはそれを支える技術開発や開発事業の提案をこれまで以上に積極的に進めて行かなくてはなりません。
そのためには会員はじめ、北海道民の皆様のご理解とご協力が不可欠と考えており、引き続き一般社団法人北海道開発技術センターをご支援くださることをお願い申し上げます。